コロナ後、更に変貌する中国
長安 和生(学20C)
去る11月13日より7日間、4年ぶりに上海へ出かけました。行きも帰りも飛行機内は中国人乗客で溢れて、日本人は私を含めても数人の様でした。
日本のマスコミ報道は、中国への嫉妬か? 粗探しばかりの内容ですが、実際は、上海浦東空港を降りると空港は巨大化していて、マスクをまだ付けている人はいないです。 空港はまだ手狭なので、揚子江(長江)対岸の南通市に第3の大型の上海南通空港建設が計画されています。
以前に比べると、街中が静かで人や車の行き来は整然として、以前の横入りとその喧嘩が見られません。 中国もやはり経済が不景気で、工場は注文が激減し、街の食堂客も疎らです。事業失敗で自殺した経営者も出ていると聞きました。 しかし人々は朗らかで親切で愛想よく気前がよく悲壮感は見られません。
市内、郊外と農村地区にはポイ捨てのゴミが無く、道路沿いの植木は綺麗に常時剪定され雑草も綺麗に刈り取られて、かつての見苦しい光景が有りません。 中国全土で緑化環境保全運動が展開されています。市内の道路を走る車の約半数は電気自動車に代わっています。
人口減少が始まり、且つ賃金の上昇により省力化、自動化、キャッシュレス化等が更に進行して、自動販売機設置も急速に増えています。 高速道路料金所の無人化が進み、自動開閉化が目立ちます。
高速道路沿いのサービスエリアは、食品果物に溢れて、中国の昔風の大きな広い庭園が有り、トイレは常時清掃されて衛生的になりました。 農村ではコンバイン等農機がちらほら散見される様になりました。
昔からの一人っ子政策での衣食住節約で貯めた貯金で子供に対する教育は絶大で、学習塾はまだまだ更に旺盛で、親の仕送りで海外の大学へ、博士課程習得へ、これが親たちの自慢の様です。 事業者達は子会社や工場を海外に設立して、更に事業拡大に世界各国へと、空港は中国人客の熱気で一杯です。
米国への留学生は約37万人強で、米国にいる外国人学生の3分の1強が中国人です。日本人の学生は計1万7千人強です。 国際特許取得数と論文数の両方で世界ランキングはいずれも中国が断トツで一位です。
世界大学総合評価ランキングでも、中国の清華大学が12位で北京大学が14位で、日本の東京大学は29位です。 今後の中国は、ノーベル賞受賞者が続々と出て来る事が十分に有り得ます。その反面、日本は今後この受賞者が0となる事が十分に予測出来ます。
コロナ禍のピーク時は中国全土が約2か月間のPCR検査と巣籠りを経て、現在は解放感と安堵感で満ち溢れて、古い友人に会うと互いに大笑いの連続でした。 物心両面のゆとりと落ち着きが有ります。中国の以前の面影がどこにも見当たりません。
"黒い猫であっても、白い猫であっても、鼠を捕る猫が良い猫である"を再度認識させられる旅でした。
中国産高級電動車 販売単価約80万人民元で、日本円約1,670万円(為替1元=20円で計算)。0.75時間充電で600km前後走れます。