我が家の若大将
塚野 和男(学10EB)
自宅前の児童公園に捨てられた子ネコを引き取ったり、年老いた野良ネコの最後をみとってやりたいとして女房が連れてきたネコは現在、7匹にまで増えました。
ネコはイヌと違って、「個猫主義」なのかお互いに干渉しあわず、多頭飼いでもネコ同士のトラブルはほとんどありません。
7匹のうちの6匹は8歳以上で、最高齢は15歳ほどになり、2階部屋の電気カーペットの上で日がな一日、ゴロゴロとして、まるでネコの養老院状態となっています。
ただ1匹、3年前の9月にやってきた「ポンタロウ」と名付けたオスネコは、若さいっぱいで後輩ネコにもかかわらず、時には先輩ネコを追っかけまわしたりしています。
「ポンタロウ」は、公園の植え込みの中で寝込んでいるところを見つけられました。生後2〜3週間ぐらい、手のひらに載せられる体重は300グラム程度で、我が家にやってきたネコの中では最年少です。
あまり小さくて、トイレの砂箱によじ登ってから中に落ち込んで用を足すというありさまでしたが、それが今では9キロ超の巨大ネコに大変身となりました。
小さい時から、これまでのネコと毛色が違うなと思っていましたが、成長するに従い骨格ががっしりと長毛で足長になり、これまで飼ったことのない品種とわかりました。
インターネットで検索したところ、北欧に多い「ノルウェージャン・フォレストキャット」か、アメリカの「メインクーン」のどちらかで、純粋種ではなくその混血ではないかと推測しています。
そんなネコがどうして公園に捨てられたのか、はっきりしませんが、毛並がよくなく売り物にならないとして、ブリーダーから捨てられたのではないでしょうか。
大きな体ですが、性格は至っておとなしく、たまには好奇心から戸外に出たがりますが、少しでも物音がするとあわてて帰ってくるという始末です。
また、「大猫、総身に知恵が回りかね」なのか、はたまた、おっとりした気質なのか、他のネコにくらべると表情に乏しい感じがしますが、時には、女房のセーターをどこからか引っ張り出してきて、うっとりと顔をこすり付けたり、母乳を飲むしぐさをしたりして母親を思い出すような表情を見せています。
ところで、女房の就寝時は大変です。ネコたちはベッド上の好位置を争って、食餌時にもみられない競争となります。ベッドの裾や横など多い時には5匹が陣取って女房は身動きもできない様となり、時には不眠を訴えることもあります。
その中にあって「ポンタロウ」は布団の中にもぐりこみ、先陣の「ビビアンヌ」との争いとなりますが、最近では仲良く、女房の腕の中に納まるようになりました。女房に言わせると、窮屈ではあっても無上の幸せ状況だということです。
ネコの寿命は一般的に15歳程度といわれていますが、最近では栄養状態がよくなり中には18〜20歳と長命ネコが増えています。
我が家の7匹のうち6匹までは8歳以上で、我々夫婦でなんとか最期を看取ってやることができそうですが、3歳の「ポンタロウ」が天寿を全うするまで健康で過ごせるかどうかは、はなはだ疑問です。
「無駄な抵抗」だとわかっていても、そのための毎朝のウォーキングと週2回のテニスは欠かせません。
我が家の若大将「ポンタロウ」との長生き競争に勝つことが、我々夫婦の生きがいともなっています。
(終わり)