ブログと俳句で広がる世界
木下 聰(学10EB)
今年の2月に翻訳事務所のホームページとブログ「チュヌの便り」のサイトを悪戦苦闘して立ち上げた。 知人の弁護士や弁理士に挨拶をすると、「楽しそうな素晴らしいホームページですね。」と褒めてくれた。 お世辞もあるだろうが、「もう仕事はしないで余生を楽しみなさいよ。」とやんわり断られたのだと思う。 定年退職後、勤務していた会社の外国特許出願明細書の翻訳を十数年してきたが、最近依頼が激減したのでインターネットを活用して翻訳の新たなクライアントを見つけようと始めたものである。 外人から電話が一度あったが、生憎仕事が入っていていたので断った。 緊急の依頼しか来ない安い料金での下請であれば面白くない。 喜寿を迎えたことでもあり、もう無理をしないのが良かろうと思い、有料のホームページは止めることにした。
現在は、無料のブログに特化して、俳句や川柳、随想などを自分で書くばかりでなく、興味のある方々に投稿してもらっている。 さらに、「チュヌの便り」を覗いてくれる人に楽しんで貰えるように、関連のある解説や写真を見ることができる他のインターネットサイトにリンクして内容を充実させるようにしている。
楠ケ丘会でも「アオギリの見える小部屋から」というブログを最近立ちあげられた。 同窓会や母校の近況を知ることが出来るばかりでなく、リンクされた同窓生のブログなども見ることが出来る。 また、Facebookの同窓生・後輩の数人のサイトを見ているが、それぞれのご活躍の日常の苦労や喜びを垣間見ることが出来る。
同窓会誌「楠ケ丘」も関係者のご尽力で最近は興味ある記事が多く充実してきた。 同窓会のホームページやブログも更に充実され、今後リンクされる方が増えることを期待している。
俳句に命をかけている崇高な俳人も居るそうだが、到底その域にはならない。 月並みであっても、句作で頭の体操をし、吟行をして旅を楽しみ、句友と酒を飲みながら俳句談義などをして老後の生活を楽しめば良いと思っている。 だが、少しでも多くの人に評価される句が作れるなら、それに越したことはない。 俳句の世界は、入り易いが奥が深く、向上心があれば飽くことがない。
リレーエッセイ第42弾で「日本の伝統文化・日本語あっての俳句を英語で表現する気にはまだ至らない。」と書いたが、その後、国際俳句交流協会では俳句を国際的に広めて、無形文化世界遺産に登録されるように努力していることを知り、国際俳句交流協会に入会した。 微力ながら俳句の国際化の草の根運動の一助にでもなればよいと思い、ブログを書いているが、俳句の世界遺産登録を実現することは夢物語だろう。 和食には無い言語の障壁があるからである。 俳句を外国語に翻訳しただけでは俳句の良さが分からないから、日本語を理解し、俳句に興味をもつ外国人がもっともっと増えることが不可欠である。
俳句を5-7-5のsyllableに英訳することは至難である。 英語のHAIKUは5-7-5の音節に拘らず最短の三行で詩的に表現すれば良いと割り切らざるを得ない。 日本語は情緒的で曖昧なので、俳句は色々の意味に解釈できるが、英語は論理的な言葉なので、英訳するとその範囲の解釈に限定されてしまう。 そこで、「俳句・HAIKU 言語の壁を破るチャレンジ」というタイトルで芭蕉や正岡子規などの俳句の英訳や外国の俳句愛好家のHAIKUの和訳を試みるブログを14回シリーズで書いてみた。 コメントが頂けると有難い。
余談だが、スウェーデン大使館の英語俳句・川柳コンペティションに応募したところ、幸い小生の川柳が1句、家内の俳句(小生が英訳)が2句入選した。
俳句や川柳に興味のある方はインターネットで国際俳句交流協会のホームページや「チュヌの便り」を検索してご覧頂ければ幸甚です。