リレーエッセー 第111弾

岡山支部の近年の活動について

岡山支部長 産賀 俊治(学20E)

1.簡単な自己紹介

出身も現在住んでいるのも岡山県北部の鏡野町。テレビCMでも有名なY養蜂場のすぐ近くです。県北の中心の津山市までは30分、県庁所在地の岡山市までは2時間弱かかります。在学中の加入サークルは軽音楽部、ゼミは小西ゼミでした。

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卒業後は1971年から2009年まで岡山県立の高等学校に勤務、退職後は地域の諸組織・団体等の「役」が押し寄せてきて、多忙な毎日を送っています。 楠ヶ丘会岡山支部の会に初めて参加したのは、私が倉敷市に単身赴任した2001年ごろだったと思いますが、以後だんだんと深みにはまり、あっというまに事務局長に、そして支部長に出世?して現在に至ります。私がかかわるようになってからの、ここ何年かの岡山支部の活動について思いつくままに述べてみたいと思います。


2.セミナー(公開講座)形式の取組み
(1)'06神戸外大英語セミナー in 津山(詳細は「楠ヶ丘」No.45)

これまでの岡山支部の行事は岡山市等、県南部で開催されてきましたが、2006年に初めて県北の津山市で開催することになりました。同窓会の名簿を頼りに、初対面の人や、これまで顔見知りだったが同窓生だとは知らなかった人など、10名程度の県北の同窓生が集まり、実行委員会を立ち上げました。

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教職についているメンバーが多かったこともあり、「地域の外国語教育への貢献と母校の宣伝」を目標として、同窓生以外の方も対象としたセミナー(公開講座)と同窓生の懇親会の2本立てで開催しました。会の名称は「'06神戸外大英語セミナー in 津山」、講師は外大の野村和宏教授と須藤淳名誉教授で、参加者は135名、同窓生は23名で、近年にない多人数の集会を成功させることができました。以後数年間、この「セミナー方式」が岡山支部では定着しました。


(2)'07神戸外大英語セミナー in 津山(詳細は「楠ヶ丘」No.46)

  • 講師:横田玲子准教授、須藤淳名誉教授
  • テーマ:小学校の英語活動
  • 参加者数:105名(同窓生21名)
  • 二匹目のドジョウがいた!
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(3)'09神戸外大英語セミナー in 倉敷(詳細は「楠ヶ丘」No.48)

  • 講師:横田玲子准教授、小山浩一河合塾講師
  • 小学校の英語活動/神戸外大入試問題の解説
  • 参加者数:45名(同窓生14名)
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開催場所を倉敷に移して、清心女子中学校・高校と共催、高校生向けに神戸外大入試問題の解説を外大OBの小山浩一河合塾講師にお願いして計画を進めたのですが、直前になって小山先生が病気で入院され、幻の入試問題解説となってしまいました。当日別に小学校の先生対象の英語研修会が開かれていたことも事前に情報としてつかめず、マイナス要因となりました。 少し失速?


3.2010年、2011年は幹事会を中心に方向性を模索

セミナー形式は実りも大きいが、計画・準備・宣伝・募集・運営などにわたって労力・負担も多大であることから、セミナー形式にとらわれない支部の取組みについて論議を重ねました。同窓生による外大訪問等の話も出ましたが、具体化はできませんでした。


4.英語教育から少し離れ、「地域の魅力を訪ねる」
(1)2012年度〜津山洋学資料館訪問〜(詳細は「楠ヶ丘」No.52)

2012年度の支部行事は、また津山市開催ということになりました。津山市を中心とする美作地方(岡山県北東部)は、江戸時代後期から明治初期にかけて、宇田川家や箕作家をはじめとした日本の近代化に貢献した優秀な洋学者を輩出しています。その資料等を所蔵し、郷土ゆかりの洋学者たちを顕彰する「津山洋学資料館」訪問・見学し、講演を聴いて理解を深める行事に取り組むことにしました。講演は洋学資料館の下山純正館長と、能登原昭夫前岡山支部長にお願いしました。参加者は23名(同窓生10名)。

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この回は、以前のセミナー形式を残しながら、開催地の史跡や魅力的な場所を訪問することと懇親会・親睦会のドッキング行事の形となりました。


(2)2013年度〜美作大学沖縄県人会演劇鑑賞と津山郷土博物館見学〜(詳細は「楠ヶ丘」No.53)

津山市にある美作大学・短大は、全学約1,200名のうち沖縄県出身者が1割を占め、沖縄の伝統芸能「エイサー」の公演などで存在感のある活動をしています。この沖縄県人会が中心となって、沖縄戦を扱った創作劇「命どぅ宝」(いのちこそたから)が上演され、私たちもそれを観賞しました。参加者総数は約350名、同窓生は13名。

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また、津山藩のお抱え絵師であった鍬形恵斎(くわがた・けいさい) が描いた「江戸一目図屏風」(東京スカイツリーにレプリカが展示されている)などが所蔵されている津山郷土博物館を見学しました。学芸員の方の説明を受けながら、「陶棺」の特別展を見学しました。


5.2014年度〜ホームカミング〜(詳細は「楠ヶ丘」No.54)

母校創立70周年を2016年に迎えるにあたって、記念行事の一環に「ホームカミングデイ」が計画されるということを知り、それに先駆けて、2010年度ごろから懸案であった岡山支部の外大訪問を外大祭の日に実現しました。当日さしつかえる方が多くて参加者は同窓生4名、在学生2名でしたが、70周年記念時のホームカミングへの下地づくりとなりました。

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6.2015年度〜月の輪古墳を訪ねる〜(詳細は「楠ヶ丘」No.55掲載予定)

1953年に地元住民と古代史学者の共同で、延べ1万人が発掘に取り組み、映画化もされた「月の輪古墳」を、郷土史家に解説・案内をしていただいて見学しました。参加者7名。

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7.2016年度〜創立70周年記念行事に参加〜ホームカミング〜

支部会員に70周年記念行事への参加を呼びかけました。また、教え子が外大に在学している高校教員の同窓生から交流会への参加を勧誘してもらいました。その結果、同窓会員11名、岡山県出身の在学生3名が記念行事・ホームカミング・交流会・記念パーティーに参加しました。

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42年間勤めた職場を退いて、そして70歳を過ぎたころ、そろそろ"終活"をと考え始めていた。カルチャーセンターで、自分史の講座が開かれることを知って参加してみた。2年ほど前の事である。そして、その講座で自分の来しかたを振り返り、神戸外大時代を書き綴る時に、丁度今回の"神外大創立70周年記念行事"の案内を頂いた。特に"ホームカミング"で、旧六甲校舎までのバスツアーが計画されていることを知り、すぐに出席、参加の申し込みをした。そう心を決めた時に、半世紀前の学生時代の自分を思い、その頃の街やら学校の風景をも思い出してみた。懐かしさがこみ上げてきて、今回の6月4日を待っていた。

当日は、すこし総会に遅れたけれど、ロバート・キャンベル氏の講演も拝聴し、新キャンパスをあちこち見学して回った。ただ、思い出の大学風景とは遠く、現実感はなく、まるで浦島太郎のようであった。環境が全く違っていたからであろう。学生たちの模擬店で、軽くお昼をすませて、岡山支部会に出席。これはとても良かった。同県人の温かみが感じられ、同窓の話に聞き入った、違和感はまるで感じなかった、今まで支部会に出席しなかったことを、後悔もしていた。

旧校舎へのバスツアーは、あっという間に終わった。車窓からの街の景色からは、自分の頭・心に住む神戸の街の姿は全く探し出すことも出来なかった。特に旧校舎跡地からの眺めには、軽い失望感があった。海の色だけは、昔と変わっていないようであったが。 (改めて、阪神大震災を思い出してみた。)

夜のパーティーには、出席しなかった。が、慌ただしいながら過ごした一日をしっかり胸にしまって帰途についた。

そして今、すこし日にちが経ってみると、やはり良い一日であったと、出席して有意義な一日を過ごせたと満足している。そして、これからは,機会あれば、支部会だけでも出席して、縦横のつながりを大切にしておきたいと思う。

当日、充分お礼を言えなかったこと、ここで皆様、特に支部長の産賀さんには感謝を申し上げておきたい。そして神戸外大、万歳!!

学14E 日笠 永子

70周年記念行事参加者の感想から



その節には大変お世話になりました。農繁期で忙しい最中なので少し迷ったのですが、参加して良かったです。

六甲学舎跡の見学、予想してはいましたが、すっかり変わってしまっていて、かつてここに外大があったと記した小さな碑だけが残っていたのが寂しかったです。

岡山支部の集まり、先回より沢山の方が集まってくださって良かったです。ただ、支部の集まりに来られた現役の学生さん、どの方も真面目でおとなしいですね。外でやっていたイベントの時にはまた違った態度を取られるのでしょうか。

能登原先生、いつまでも元気で行動されているのに感心しました。私もそうありたいと思いました。

産賀先生には本当に何から何までお世話になりありがとうございました。

学15E 影山 田鶴子

6/4(土)神戸外大創立 70周年記念行事に参加させて頂きました。

産賀支部長様には、大変お世話になり、また、支部から費用まで頂き、ありがとうございました。

記念行事では、岡山支部の皆様や、予期しなかった中国学科の先輩方とお目にかかれて、大変嬉しかったです。今回欠席された先輩方の消息も知れて、良かったです。どの行事も全て満足できました。パーティーでは、これまた予期しなかったESSの先輩とも再会できて、大学時代の情景がよみがえってきました。こんなに楽しい同窓会なら、次回もまた都合をつけて参加したいと思いました。

学27C 佐藤 悦子

創立70周年記念行事に参加して

6月4日に開催された記念行事では、外大らしさを端々で感じることができました。学生による語劇から始まり、校歌の合唱、キャンベル先生による講義など、どれもが鮮やかな記憶として残っています。また、11月に神戸で模擬国連を開催するなど、外大に新たな歴史を築く動きも活発な様子で、卒業生として嬉しく感じました。

今回初めて岡山支部の方にもお目にかかることができたので、これからは色々と出かけていきたいと思っております。産賀支部長には参加に際し大変ご丁寧に対応いただいて、厚く御礼申し上げます。どうぞ今後ともよろしくお願いします。

学55E 河原 里香

8.岡山支部の課題

次の3つの偏りが支部の活動の一層の発展を妨げる要因となっていると思います。


(1)地域の偏り

現在の支部役員は全員津山市周辺在住です。人口、そして同窓会員も多い県南部(岡山市、倉敷市等)での支部行事の開催が困難なことが参加者の減少や固定化を招いています。


(2)職業の偏り

支部役員は現職・リタイアの違いはあっても全員教職(経験者)。支部行事への参加者も教員が多く、話題も外国語教育がメインになりがちです。教員以外の方がせっかく参加されても話題に入っていけず、疎外感を感じられたこともあったようです。


(3)年代の偏り

役員も支部の行事の出席者も、リタイア組など年配の会員が多く、若い人がたまに出席すると「おじいさんの中に娘が一人」状態になります。


結論:3つの偏りをなくすため、求む、県南部の(and, or)教員以外の(and, or)、若い 支部役員!

9.終わりに

岡山支部の活動の一端を紹介させていただきました。70周年記念行事の際には45年ぶりに同級生、ゼミやサークルの仲間に再会することができました。ホームページ上だけでなく何らかの機会に、また皆さまにお目にかかれることを楽しみにしています。


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2024年6月5日

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