リレーエッセー第115弾

神戸市外国語大学での出会いと出来事

児玉麗（Ⅱ61E）

2019年度より楠ヶ丘会常任理事を務めることとなりました児玉麗と申します。この度リレーエッセイという機会を頂きましたので、僭越ながら、神戸外大との関わりをお話しさせていただければと思います。

2011年に社会人学生として第2英米に入学致しました。外大に入ってまず驚いたのは、学生の方のやる気の高さでした。社会人学生の方はもちろんですが、若い方も本当に語学を勉強するのが楽しそうで、海外に出たくてうずうずしているような方ばかりでした。それを目の当たりにして、年長者として少しでも情熱ある若い方々の力になりたいと思い、授業や試験のサポート、困ったことがあれば相談に乗り、若い方がやってみたいと言っていた読書サークルを外大教員の方と共に作り、できる限り大学生活が実りあるものになればと考え、日々通学しておりました。

2014年文学系合同ゼミ
（2014、15年に実施）

2018年の神戸読書会（2012年～）

やがて3回生になり若い方が就活に差し掛かると、「面接練習を見てほしい」と頼まれることがありました。人事職の経験がなかった私ですが、「座っているだけで良いので」と言われ、練習に臨みましたが、やはり社会人として気づくことは色々あります。

ただアドバイスはするものの、やはり人事の経験がないためにどうしても良いアドバイスができませんでした。しかし就活は人生を左右することであり、信頼して頂いたからには私自身も人事目線で勉強し、知識をつけ、彼らと一緒に書類作成や面接練習をしながら対策を練っていきました。幸いに彼らの努力が実り、全員が望む結果が出て、若い皆さんが心から喜ぶ姿を拝見したことは、5年前ですが今でも瞼に焼き付いています。

翌年度もその先輩方からゼミやサークルの後輩の指導を頼まれ、サポートした皆さんが良い結果が出て嬉しそうにしている姿と、就活や学生生活で抱えていた悩みを話し、安心している様子にも、今までの自分が経験した仕事にはないやりがいを見出すことができました。ちょうどキャリアコンサルタントが国家資格として認定されたこともあって、これを仕事にしようと決意し、現在の仕事に就いております。

外大での出会いは私にとり大きな人生の転機になりました。社会人学生時代の勉学の充実した時間と、今の仕事への満足感は自分の人生において代えがたいものです。そのきっかけを与えてくれた方々や大学に少しでも恩返ししたいと思い、現在でもボランティアとして毎年40～50名ほど学生の方や若手OBへのキャリア支援を行い、いくつかの外大OBのコミュニティ作り、楠ヶ丘会公式支部であるKGA（Kobe Gaidai Alumni）などの活動を続けております。

キャリア理論の一つに"Planned Happenstance Theory"というものがあります。多くのキャリアは予期しない「出会い」「出来事」によって決まる。その偶然性を逃さず良いものにしていくために、5つの特性Curiosity, Persistence, Flexibility, Optimism, Risk Takingを普段から持つことが大切だ、という理論です。私が考えるキャリアとは仕事だけでなく、人生そのものだと思っています。楠ヶ丘会がOBの皆様にとって、良い出会い、良い出来事になる場になりますように、尽力していきたいと考えております。

今後もOBの皆様のお力をお貸しいただければ幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。